知って得する障害年金

わかりにくい障害年金についてわかりやすく説明します

障害年金をもらうために

障害年金は本来、ご本人やご家族が申請するものですが、以下のような理由により、障害年金の申請を諦めたり、失敗してしまうケースがあるようです。

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障害年金受給に失敗してしまった例

● 初診日の証明がとれず、申請を諦めてしまった…
● 「5年遡及」などの仕組みを知らず、遡及せずに申請してしまい、損をした…
● 実際の病状を伝える文章がうまく書けず、障害年金がもらえなかった…
● 医師に診断書を書いてもらえず、そのまま申請を諦めてしまった…
● 医師に書いて頂いた診断書に記入ミスがあり、申請したものの返却されてしまった…
● 診断書と申立書の内容が一致していないと却下された…
● 一度不支給となってしまい、その後申請しても却下されてしまい、申請を諦めた…
年金事務所の方に「あなたはもらえませんよ」と言われ、諦めていた…

障害年金をきちんともらうためには

障害年金の受給に必要なことは、障害が行政の定める障害認定基準・障害認定要領の内容に適合していることを証明することです。障害年金を受給するためには障害認定を得ることが必要であり、その認定を得るための最も重要な書類が「診断書」になります。

 この診断書の記入の方法は障害認定にかかわってくる場合があるので、担当医とよく話し合い、症状に見合った適切な内容を記入してもらわなければなりません。長いお付き合いの先生だから私のことは十分わかってくれていると思って安心していませんか?先生はあなたの元気な時しか見ていません。家での生活まで把握しているわけではないんです。

 またこの診断書は「一人暮らしを想定して」書いてもらわなければなりません。でもその事を知らない先生は結構多いんです。家族がいるからできるよね、と診断書に書かれたら、実態とはかけ離れた軽い診断書になってしまいます。たぶん障害年金の受給は難しいでしょう。
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診断書作成の注意点

診断書作成の時点でよく問題になるのが下記の場合です。
・初診日が特定できない場合
・初診日がかなり過去である場合
・現在の病状を反映しているとは言えない場合
・診断書の現症日が請求に適切な日になっていない場合
・記入すべき事項が記入されていない場合

上記のような場合には、手続きが困難なために受給を諦めてしまう方も数多くいらっしゃいますが、

けっして諦めないで専門家に相談することをオススメします。

ご依頼いただいた場合には、弊社が診断書には細心の注意を持ってチェックさせていただきます。

障害年金の対象となる傷病

 障害年金というと、肢体障害、目の障害、聴力の障害など外見でわかる障害が対象となるイメージが強いですが、実はいろいろな傷病が障害年金の対象となります。
 以下が障害年金の対象となる傷病を紹介していますのでご覧ください。これらはほんの一部で、本当に多くの傷病やケガが対象になります。

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しかし同じような症状でも、傷病名によっては対象外とされてしまうこともありますので、注意が必要です。
PTSDパニック障害等)

目の傷病
白内障緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、網膜色素変形症、両人工的無水晶体眼、眼球振盪症 など

聴覚
メニエール病、感音性難聴、突発性難聴 など

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肢体
重症筋無力症、関節リュウマチ、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー変形性股関節症、人工股関節など

脳の傷病
脳卒中脳出血脳梗塞など

精神
統合失調症うつ病躁うつ病てんかん発達障害、知的障害など

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呼吸器疾患
気管支ぜん息、肺線維症、肺結核など

心疾患、高血圧
狭心症心筋梗塞、高血圧性心疾患、悪性高血圧症など

腎疾患、肝疾患、糖尿病
慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、人工透析、肝硬変、肝ガン、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症 など

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その他
悪性新生物(ガン)、高次脳機能障害化学物質過敏症、各種難病(強皮症、パーキンソン症候群)、その他難病など

特に心臓移植や人工心臓は1級、CRT(心臓再同期医療機器)及びCRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器)の装着手術を行った場合や人工透析は2級、人工肛門人工膀胱、人工弁、人工関節(三大関節)、ペースメーカー、ICDを装着した場合は3級と認められていますので、お心当たりの方はぜひ請求してみてください。
 いろいろな傷病を併発している場合など、実に様々な症状がありますので、自分で判断できない場合は、専門家にご相談ください。弊所は、障害年金の全国組織に加入しており、様々な事例を共有しております。

必要書類2

2.病歴・就労状況等申立書(病歴状況等申立書)
 病歴・就労状況等申立書(病歴)は、請求者が発病から初診日までの経過、現在までの受診状況および就労状況等について記入する書類になります。病歴は請求者側が自ら作成して申告できる唯一の参考資料であり、自分の障害状態を自己評価して行政にアピールできるのは、この病歴以外にないので、

できるだけ具体的に、発病から現在までの病状・治療の流れ、日常生活の様子が目に見えるように作成する必要があります。

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しかし診断書と病歴との整合性が必ず求められますので、細心の注意が必要になってきます。2級相当の診断書に対しては、しっかりと2級の内容の病歴を作成しなければなりません。失敗例としては診断書の内容が2級相当なのに、1級相当の病歴を書いてしまい、内容に不信感をもたれてしまうですとか、3級相当の病歴を書いたらせっかく診断書が2級相当なのに3級と認定されてしまった等がありますので十分注意してください。

3.受診状況等証明書
受診状況等証明書は、診断書を作成してもらった医療機関と初診時の医療機関が違っている場合に、初診時の医療機関でもらっていただく証明書類で、「初診日証明」とも言われます。
 

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ただし、医師法によってカルテの保存期間は5年となっていますので、初診日が5年以上前だったり、初診の医療機関がなくなっていた場合は、受診状況等証明書が取れない場合もあります。その場合は「受診状況等証明書が添付できない理由書」を作成し、次の医療機関で発行してもらった「受信状況等証明書」に添付して提出します。ただし、これによって初診日がすんなり認められるわけではありません。あくまで初診日証明が取れなかった時の行政の手続便宜上の話でしかありません

このようにやっても初診日が認められず不支給になる例は数多くあります。

なるべく本当の初診日を証明できる書類を添付するように心がけて置くようにしましょう。なお請求者が初診日から継続して同一の医療機関で受診されている場合は、提出された診断書によって初診日における医師の証明が確認できますので必要ありません。

4.障害年金裁定請求書
障害年金裁定請求書は、いわゆる申請書になります。
・請求者の氏名
・住所
・配偶者や子などのデータ
・その他請求にあたっての基本事項
これらを記入する書類で、障害年金の請求は、この障害年金裁定請求書に診断書などの必要な書類を添付して行います。

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障害年金裁定請求書は「障害基礎年金」用と「障害厚生年金」用とに分かれます。この違いは、障害厚生年金では2級以上の場合には配偶者加給年金が支給されますので、配偶者に関する詳しい情報を記載するようになっています。

 

必要な書類

障害年金の請求に必要な主な書類は以下の4つです。

(1)診断書 
(2)病歴・就労状況等申立書 
(3)受診状況等証明書 
(4)障害年金裁定請求書

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1.診断書
診断書は、障害の内容によって、8種類に分かれています。通常は1種類の診断書でいいのですが、いろいろな傷病を併発している場合は2種類・3種類の診断書を作成する必要がでてきます。
診断書の内容としては、
・治療経過
・各種検査データ
・臨床所見など
上記が中心ですが、その他に本人でなければ把握できない項目も含まれています。たとえば、日常生活動作・生活能力・一般状態・労働能力などがあります。

診断書は医師にしか作成することができませんが、日常生活の様子などは本人に確認しなければ書くことができません。

常に主治医とコミュニケーションしっかりとって、普段の生活の様子をきちんと伝えることが重要です。

障害年金の成否の大部分は診断書で決まりますので、作成の全てを多忙な医師任せにしてしまうことは危険です。

特に診断書の問題点して、「お医者様に書いて頂く診断書が実際の症状よりも軽く書かれている」ということがあります。このような不満や疑問が数多く出てきているのが、診断書の問題点です。

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この理由としては以下のようなことが考えられます。
①医者は年金を申請される方の日常の生活を知ることができない(日常生活について詳しくヒアリングしている時間がない)
②年金を申請される方が日常の生活を医者に伝えることができない(文章が書けない、伝えることができない)
これらの理由で、病状が軽く書かれてしまったりすることにより、もらえる年金額が少なくなったり、年金がもらえなかったりすることがあります。

ただ、これはお医者さまの立場からすると、ある程度仕方のないことでもあるのです。お医者様は多忙であり、毎日の診察が終了した後くたくたに疲れた体で、様々な様式の診断書作成を書いています。このような状況に中お医者さまに適切な診断書を書いてもらうポイントは上記の事情があることを念頭におきつつ

感謝の気持ちとノウハウが必要となってきます。

具体的には企業秘密なので是非ご相談にいらしてください。       

 

年金の種類

 日本の公的年金制度は2階建の制度となっていて、1階部分が「基礎年金(国民年金)」。また2階部分が「厚生年金」となっています。日本の公的年金制度は2階建の制度となっていて、1階部分が「基礎年金(国民年金)」。また2階部分が「厚生年金」となっています。

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障害年金公的年金制度のひとつですので、

・障害基礎年金・障害厚生年金の2種類に分かれています。

1.障害基礎年金は、2階建てになっている年金の1階部分です。日本に住んでいる20歳から60歳までの人は、すべて国民年金に加入しているので全ての人が障害基礎年金の対象です。(たとえ保険料を払っていなくても)対象例はすべての人ですが、・自営業・専業主婦・学生上記3つの方たちは国民年金だけの加入ですので、障害基礎年金のみが支給されます。障害等級は1級と2級の2段階に分かれていて、子供に対する加給年金もあります。

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障害基礎年金で貰える金額は定額で、1級は2級の1.25倍となっています。

1級  779,300円×1.25=975,125円(+子供がある場合は更に加算額

2級  779,300円(+子供がある場合は更に加算額

子供の加算額 1人目・2人目の子 (1人につき)224,300円 3人目以降の子 (1人につき) 74,800円※子とは次の者に限ります。 

○18歳年度末(高校を卒業する年齢)までの子供

 ○障害等級1級または2級の障害状態にある20歳までの子供


2.障害厚生年金
障害厚生年金は、2階建てになっている年金の2階部分です。対象者は厚生年金に加入中であった期間に初診日がある方になります。※初診日とは、初めて医師または歯科医師の診察を受けた日のことを指します。

 障害厚生年金は、1級・2級・3級の3段階に分かれていて、障害等級が1・2級であれば障害基礎年金も合わせて支給され、さらに配偶者に対する加給年金も支給されます。

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3級であれば障害厚生年金だけが支給されます。また障害等級1~3級に該当しなかった場合では一時金として障害手当金が支給されるケースがあります。障害手当金は障害基礎年金にはない制度です。


 障害厚生年金の額は、厚生年金に加入していた期間や給与の額(払っていた保険料の額)などで異なります。2級の障害厚生年金の報酬比例年金の計算は、老齢厚生年金と同じ計算をします。1級の障害厚生年金の報酬比例年金の額は、2級の1.25倍です。
なお、若くして障害を負ってしまい厚生年金の加入期間が短い方は年金額が低くなってしまうので、

加入月数300月未満のときは、300月として計算します。

また、3級の場合には、年金額が低くなりすぎないように最低保障額が設けられています。


 1級  報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級(+配偶者がある場合は更に加算されます) 

 2級  報酬比例の年金額+障害基礎年金2級(+配偶者がある場合は更に加算されます) 

  3級  報酬比例の年金額  (最低保障額 584,500円です) 

 

 障害手当金  (一時金) 報酬比例の年金額×2年分 (最低保障額   1,169,000円)

 

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 なお配偶者の加算額は224,300円となります。また障害年金は非課税ですので、老齢年金のように所得税や住民税を源泉控除されることはありません。障害年金と老齢年金のどちらかを選ぶ必要が生じた場合はそのことも考慮に入れて下さい。

障害年金とは

皆さんこんにちは。
新横浜で障害年金申請のお手伝いをしています、新横浜障害年金相談センター所長 
遠藤 隆です。
このブログでは具体的事例を交えながら障害年金のご紹介をしていきたいと思います。


障害年金とは病気やケガなどで日常生活に支障があったり、今まで通りに働くことが困難な場合に支給されます。

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この年金、実は老齢年金と同じ公的年金なんです。
・視覚・聴覚・手足の不自由
・がん
・高血圧
・糖尿病による合併症
・心疾患(人工弁、ペースメーカー、除細動器、CRT等)
・難病
・呼吸器の障害
・肝臓疾患
人工透析
・うつや統合失調症双極性障害てんかん、知的障害などの精神疾患
人工肛門、人口膀胱、人工関節等
言語障害・嚥下機能不全

思っているより多くの病気やけがが対象になっています。

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障害年金をもらうには要件がありまして、

①初診日の証明が必要
 この病気で初めて医者にかかった医療機関の証明が必要です。直接の病名でなくとも、因果関係がある病気ならばそこまで遡る必要があります。
 初診日の証明書(受診状況等証明書といいます)は病院にカルテがあれば書いてくれますが、カルテの保管期間は5年なのでそれより前だとカルテを廃棄されている可能性があります。
 
②初診日の前日に、その初診日が属する月の前々月までの期間の2/3以上が、次のいずれかの条件に当てはまっている必要があります。
・保険料を収めた期間
・保険料を免除されていた期間
ただし特例があって、初診日が属する月の前々月から遡って1年の間に保険料の払い漏れがなければ大丈夫です。また20歳前に初診日がある場合には、保険料要件は問われません。

③障害認定日要件
 初診日から1年6か月後を障害認定日といいます。この初診日から3か月以内の病状が国が定める障害の基準に合致していると、初診日の属する月の翌月から認めてもらえます。これを障害認定日請求と言います。
 ただしこの時はそんなに悪くなかったですとか、医者にかかていなかったときは今悪いといいって請求する方法があります。これを事後重症請求と言います。

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さて障害年金は障害の程度によって1級、2級、3級と等級が変わり、もらえる年金額も変わります。

1級は身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状によって、日常生活ができない程度のもの。他人の介助を受けなければ、ほとんど身のまわりのことができない程度のことを指します。
病院内の生活で言えば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られる状態。
家庭内の生活で言えば、活動の範囲がおおむね寝室内に限られる状態。
こんなイメージです。


2級は身体の機能の障害もしくは長期にわたる安静を必要とする病状が、 日常生活に著しい制限を加えている程度を言い、日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のことを指します。

病院内での生活を言えば:活動の範囲がおおむね病棟内に限られる状態
家庭内の生活を言えば :活動の範囲がおおむね家屋内に限られる状態
というイメージです。

3級は、労働が著しい制限を受ける又は労働に著しい制限を加えることを必要とする状態で、傷病が治癒しない場合は労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものを指します。3級は初診日が厚生年金に加入していないと該当しません。3級に関しては、職場の援助のもと就労できる状態を指します。短時間勤務や軽作業なら就労することが出来る状態です。

この他に障害手当金というものがあって、これは「傷病が治ったもの」であって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものをいいます。この場合は年金ではなく一時金が支給されます。