知って得する障害年金

わかりにくい障害年金についてわかりやすく説明します

妄想型統合失調症で障害基礎年金2級を取得、年額78万円、遡及で189万円を受給できたケース

受給事例のご紹介

妄想型統合失調症で障害基礎年金2級を取得、年額78万円、遡及で189万円を受給できたケース

女性(20代) アルバイト
傷病名:妄想型統合失調症
決定した年金種類と等級:障害基礎年金2級
受給額:年額78万円、遡及額189万円


相談時の相談者様の状況

 都内の大学に在学していましたが、夢であったアルバイトに採用されたため、1年間の契約で仕事をすることになり休学しました。アルバイト先へ引っ越し、一人暮らしを始めましたが、新しい職場での人間関係に悩んでいました。学校から復学を要請されたため復学することになり仕事をしながら月に1,2回程度大学へ通学していましたが、朝が起きられず遅刻するため職場で頻繁に叱責され、上司がえこひいきばかりする、同僚に虐められている気がする、私物を盗まれた気がする等を思い込むようになりました。周囲の生活音が気になり、一度疲れると一日中寝て起き上がれない状態となり、自宅近くの内科医院を受診したところ自律神経失調症と診断されました。朝起きて動けず、眩暈、動悸、胃痛、便秘、浮腫み、不安、不眠があり薬を処方されました。

 同時期に他のメディカルクリニックを受診して漢方薬の処方を受けていたため、内科医院は2~3回受診して終了しました。このメディカルクリニックの皮膚科にニキビの治療のため通院していましたが、内科医院で神経症に対する薬の処方を受けたことを相談したところ、漢方内科を受診することになりました。月に1回程度受診し漢方薬を処方してもらっていました。

 翌年、仕事を辞めて実家に戻る事となりメディカルクリニックの受診を終了しました。実家に戻ると直ぐにサッカーチームのチアリーダーのアルバイトを始め、大学に通いながら週2~3日仕事をしていましたが頻繁に職場で対人トラブルを起こしていました。帰宅すると誰かがついてくると泣き出すことがありました。家族の持ち物を捨てたり、財布からお金を持ち出したり、包丁を両手に持って怒ることがありました。このような症状に対する父親の理解がないことで父親に対する憎悪が高まるようになりました。母親が包丁を隠した為、大工道具を自室に持ち込み、父親が立ち入った場合には殺すと暴言を吐いたり、スーツを着た人を見ると父親に雇われたスパイではないかと思い込むようになりました。夜中に大声で叫び、部屋の壁やドアを壊したりしました。

 

 仕事、学校等の約束事に遅れたり、父親への憎悪が治まらず、自分で110番通報をしたことが2回ありました。両親が精神科の受診を検討し知人から評判を聞いたメンタルの病院へ相談したところ受診を勧められましたが、拒否していたため直ぐに受診ができませんでした。その後、自宅で暴れ大工道具まで持ち出したため、家族が119番及び110番通報し警察署から強制措置入院することになり、約1カ月入院しました。      

 その後も父親への憎悪があり、家庭内では壁を叩くなど暴力や暴言も止まらず、家族は怯えて時間をずらしながら生活を送っていました。

 大学卒業後は野球チームのチアリーダーの仕事を月に数日程度していましたが、チアのメンバーとも度々対人トラブルを起こし辞めることになりました。父親との関係も改善せず、同居することが困難となったため、やむを得ず一人暮らしを始めることになりました。医師からは無理をせずにゆっくりと過ごすようにと指示され、薬もきちんと服用するように言われましたが、処方通りの服用ができず注射により投薬を受けています。契約社員等で2週間~数か月程度の仕事をすることもありましたが、途中から体調が悪くて出勤ができなくなり、欠勤が続いたまま終了することが多い状況です。そのため収入は安定せず不安感が強まっているため障害年金の請求に至りました。

 

相談から請求までのサポート

 初診は4年程前でしたのでカルテ廃棄はされていませんでした。御本人の申立て通りの初診の内科医で受証を取りましたが、前医を匂わせる記述があった為、再度受証を取り直すなどしたため若干時間がかかってしまいました。後は手続き的には何も問題はありませんでした。

 できあがってきた診断書を拝見したところ、2級相当レベルに仕上がってきましたが、長続きしないとはいえアルバイトをしていましたので、ここをどう評価されるか心配でした。

 

結果

障害基礎年金2級が決定し、年額78万円、遡及で189万円を受給することができました。